先日、3ヶ月毎に企画させていただいている「禅の旅プレミアム〜760年続く永平寺に学ぶ「古くて新しいマネジメント」とは」を開催し、禅の総本山である福井の永平寺に修行体験に行って参りました。
(禅の旅の移動手段、禅ワゴン)
今回は、グラフィックデザイナー、商業コンサルティングマネジャー、某国大博士課程兼大学講師の方等、多才でそれぞれの分野でのプロフェッショナルの素晴らしい方々にご参加いただきました。
もともと、この「禅の旅プレミアム」という企画を思いついたのは、ここ数年わたしが持っていたある「問い」がきっかけです。
その「問い」とは、
「ジョブズは禅から何を学んだのか?」
というものです。
アップルを創業し、いまのパソコンの原型となる「マッキントッシュ」を世に出し、途中アップルから追い出されたかと思えば、ピクサーを立ち上げ、成功を収める。その成功を引っさげ、低迷していたアップルに戻り、劇的に立て直し、以降、世界の人々のライフスタイルや産業構造を根本から変えてしまうプロダクトやサービスを次々と発表したカリスマ経営者、スティーブ・ジョブズ。
彼のあの発想力、創造性は、どこから来ているのか、という好奇心、そして、彼のような発想力、創造性こそ(彼と同じレベルは難しいとしても)が、これからの日本のリーダーにも求められるという予測から、あの発想力、創造性の秘密を突き止めたい、そして、それは、彼が学生時代に特に傾倒し、熱心な実践者であると言われている「禅」に何かヒントがあるのではないか、と感じたことが、「ジョブスは禅から何を学んだのか?」という問いの発端でした。
この数年、この問いを持ちながら、禅とマネジメントの関係性について考え、また禅の総本山である永平寺や禅寺で、禅の修行体感を積んでいます。
禅の修行体験を通じて、禅の世界観や禅の作法、道元禅師(日本の曹洞宗開祖)のあり方などをカラダと頭で学んでいますが、先日の修行体験中に、ふとある考えがひらめきました。
それは、
「ジョブズが禅を学んでいなかったら、アップルは生まれなかった。」
ということ。
ジョブズが若いころ、日本の永平寺への出家を本気で考えたことがあるというという話は、ご存知のかたもいらっしゃると思いますが、総本山である永平寺で禅を体感するからこそ、アップルに流れている禅の思想、哲学を感じることができます。
ジョブズが禅から学んだことで、アップルを成功に導いた要素は3つあると考えます。
それは、
1) 自然やエコシステムを意識した全体観
2) シンプルさ、ミニマリズムの価値や重要性
3) 自分の創造性へのアクセスの方法
の3つです。
ジョブズが禅から学んだ3つのこと、アップルを作る際に影響を及ぼした「全体観」「シンプルさ」「創造性へのアクセス方法」について、今後、数回にわたってお伝えします。
ちなみに、ジョブズと禅についての書籍は、いくつか出ています.
ご参考までに。
曹洞宗=禅の学び舎である駒沢大学の先生たちが「ジョブズと禅」をテーマにまとめたもの。
わかりやすく、ジョブズを切り口に禅が学べる構成です.
ジョブズの禅の師匠、乙川老子との出会いから、ジョブズが禅からどのような影響を受けたかを「マンガ」で表現。
こちらも読みやすいです.